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八年目の再挑戦!空港から家まで歩いて帰る30km

今から八年前、僕がまだ中学三年生だった時のこと。
友人が鹿児島本土の高校に進学した。
友人が鹿児島へ発つ日、別の友人数人と送りにいった。
そのときの僕は何も考えずにただ「鹿児島に一人で住めるなんて
うらやましいな」と、のんきに考えていた。「オレにはできないな」とも考えていた。

みんな笑顔で友人を見送った。

その帰り、歩いて帰ることになった。なぜそうなったかは覚えていない。行きは友人の親の車で送ってもらったのだが、なぜか帰りは歩きになった。
友人と、いつも通りの馬鹿話をしながら春の、少し暑い日を歩いた。今から通う高校がどうなんだろう?かわいい子がいるのか?誰が一番先に彼女ができるのか?なんて会話をした。今ではよい思い出だ。

しかし長い道のりの中、歩くのに飽きて、結局バスに乗った。個人的に少し悔しかった。
なんとなくだけれども、最後まで歩きたかったのだ。
それから奄美大島の空港にいる時は、歩いて帰りたいと思っていた。
しかし、なかなかその機会は訪れなかった。

そして今、そのスタートラインにいる。
今回はきちんと歩いて帰りたい。
8年前、友人を送りに行った僕が8年後、東京から帰ってきた。
8年越しのクリアを目指し、今挑む。

 

ここからスタートです

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奄美新空港です。

    

飛行機に乗っているときは奄美に近づくにつれ、曇り空で不安だったが、空港に着いたら見事に晴れていた。前日で携帯の電池も切れ、デジカメの電池も表示があと一つ。
下手に写真は撮れない。少々緊張しながらスタートした。

 

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ちなみに距離を測りたいため、距離を測れるシューズを着用。ド派手。

 

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国道58号線をずっと歩きます。

      

四年ぶりに東京から帰ってきたので、あまりにも車、人が通らないのに少し驚く。
本当に僕しか歩道を歩いていない。ずっとこの景色が続くのだ。

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普通にこんなのが生えてます。

 

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南国情緒あふれる実

        

東京に住みすぎて本来見飽きているものに目をとられていたら、突然後ろから「こんにちわー」と声を掛けられた。後ろを振り向くと自転車に乗っている女の子たちだった。
女の子たちは坂道をくだってそのまま景色の中に消えていった。なんて純なんだ。
僕に子供が出来たら奄美に帰ろうと思った。

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女の子達は早すぎて撮れなかった。

 

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無人販売がまだあった

        

無人販売所はここのほかにもたくさんあったのだが、ここ以外全て営業していなかった。
「もうやってないのか…」と思っていただけにここまで普通に営業していると嬉しくなった。
しかし暑い。汗が止まらない。そしてたまに通り過ぎる車の運転手が全員僕を見ている。
珍しいのだろう。僕だって思う。でかい荷物持った坊主のヒゲがもくもくと一人で歩いているのを見たら驚くだろう。なるだけ知人には見つかりたくない。

 

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5Km歩いた。

        

今までずっと休みなく歩いてきたが、5Kmくらいあるいて、峠に差し掛かった時、さすがに
一時休んだ。汗が止まらないのだ。

 

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暑苦しくて申し訳ない。

        

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ハブもいるらしいのでそんな休んでいられない。

        

本当に汗が止まらず、正直あせるところ(自販機も見当たらない)であるが、この峠を越えれば、8年前、くじけてバスに乗った場所にたどり着く。もう少しだ。

 

この一本道を走った

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僕は奄美の中でこの道が奄美10景に入るのではないかと思う。そして八年前僕は友人とこの道を全力で走った。
八年前もこの道の前の峠でみんなのテンションが落ち、「もうバス乗ろうぜ」という空気になっていた。そして誰かがこの峠の先にバス停があるのを思い出したのだ。
あと少しでバスに乗れる!皆疲れた足を何とか動かし峠を超えた。
瞬間、僕らの横をバスが通り過ぎた。
「え?」と誰かが言った瞬間、皆バス停に向かって全力疾走した。
幸い、バスのおじさんがいい人だったから走ってくる僕らをバス停で待っていてくれていたが、あの時の本気度、一体感はすばらしかった。若さゆえだと思う。

あの時は諦めたが、今回は違う。八年前の記録を今超える。

 

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超えた。

        

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現在8km

 

そして僕は中学生の僕の記録を塗り替えた。ここからは未知の挑戦である。道のりも
まだ3分の1くらいは残っている。僕はまだまだ元気である。

 

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今なら海がよりきれいに見える


ここで少しコネタを一つ。

 

奄美には神の子というバス停がある。

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なぜこんな名前になったかはわからないが、毎回奄美に来ると写真を撮っている。
ちなみに回りには民家が3軒くらいしかなく、なかなかバスが止まりにこないというのも
ポイントだ。
そして神の子のバス停と一緒に自分撮りしようとしていたら、目の前に一台の車が止まった。
うわぁなんだ怖いなと思っていたら運転席から女性が出てきて声を掛けられた。

「覚えてる?」

小、中学の時の同級生だった。高校が違うので7年振りか6年振りになるだろうか。
あんまり話さない同級生だったため、変に緊張してしまった。

どうやら今日彼女は友人を空港に送りに行ってきたらしく、空港に向かう途中歩いている僕を見たらしいのだ。そして車内であいつは何者だ?という話になったらしい。そして空港から帰っている途中僕がまだ歩いているのを見て、声を掛けたらしい。
「どうせ私も帰る途中だから、送るよ!」と言われたのだが、歩きたいし、それよりも僕のTシャツは汗でとんでもないことになっている。うーん、うーんと悩んでしまった。

結局乗った。

 

結果失敗です

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ゴール地点。実家。

そんな同級生とはあまり連絡を取らない僕。こういった話す機会があまりないのでつい乗ってしまった。会話の中、「どうして空港から歩いてるの?」と聞かれたので、「実は八年前にも同じ事を…」と話すと「私たちの同級生、今年二人子供が生まれるんだよ。みんな大人になっているのに、あんたは八年前の自分に勝つためとかなんとか訳わからんことに挑戦して、いつまでアホをやっているのか?結局この歩いてるのも中学生の時と変わってないって事じゃない」と説教された。たしかにその通りだと思った。
でも僕は嬉しかった。昔はアホばっかりやってと皆に笑われていた。
でも東京に出てきて、東京になれて、なんとなく自分が自分じゃない感じがしていたのだ。
だから今回奄美に帰ることが決定した時、歩こうと思ったのかもしれない。
今もアホばっかりやってと笑われた。
あぁ、僕は変わってないんだとと思い嬉しかったのだ。
それがわかっただけでも嬉しかった。

今度帰る時はいつになるかわからない。
でも、次も挑戦したいと思う。

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コメント

こういう気持ちっていいですね
きっと来年も挑戦していそうな気がしてなりませんがw

投稿: | 2009年9月25日 (金) 16時58分

なんか、泣けてきた。
いつから、変わっちゃったんだろ。
みたいな、気持ちがあふれてくる。
でも、変わっていないんだよね。
根っこは変わっていない。変われない。

確かに在る。

投稿: | 2009年9月25日 (金) 23時02分

>いつまでアホをやっているのか?

「アホ言う奴がアホじゃ」
と返すべき。

投稿: | 2009年9月26日 (土) 00時01分

デイリーポータルから見学に参りました。
よい話でした。ちょっとグッと来ました。

では。

投稿: ミナハイ | 2009年9月26日 (土) 00時20分

dpzから来ました。
奄美もあなたもすばらしい。
ちょっと泣けた。

投稿: | 2009年10月 3日 (土) 01時37分

デイリーポータルZから来て、ブログの内容を拝見させていただきました。

率直に申しますと「車に乗せてくれたその女性の方」は「今までの8年をムダにした最低な人間だと思います」

このブログを書いた方は「今回こそ歩いて空港から自宅を戻る!」という8年の自分の中で止まった時間を戻そうとしようとしたと思います。

しかし、車で送迎した女性によって、ブログの著者の止まった時間をまた動かすこともできずに、さらに追い討ちとして「バカ」の一言で片付けてしまい…。

もし、また歩きたいとと筆者が思ったときに、その女性の方はどう思われるのでしょうか?

人間なんて、今健康で何十km歩けたとしても、将来長距離を歩くことが困難になる可能性だってあります。

歩くことをしなかったために、このブログの著者の止まった時間を溶かすことができずに、もう2度と歩きたくても歩けなくなったら…。

そのときその(バカな)女性は、どう思うのでしょうか?
やっぱりそのときも、「バカ」の一言で片付けるのでしょうか?

こういった女性と再会したとしても、
これは絶対(ドラマなどにおける)フラグになることは絶対ないと思います。
むしろ、ブログの著者にとってジャマな存在な人間になるかもしれません・・・と私は思います。

もし奄美大島にいけるとしたら、
この人に説教したいです。

投稿: 自分で歩ける足を持っていることに感謝 | 2009年10月 3日 (土) 03時47分

女性の言う「アホ」には可愛げも感じますけどねえ。

他人が理解できない事に挑む。素敵です。理解できなくて普通なんですよ。

投稿: さもめ | 2009年10月 9日 (金) 12時32分

この女性に説教されたことによって、
8年前の自分と、今の自分、それぞれの時間の対比が際立ったのではないかと思うのです
なにより作者さんの周辺の生活感を感じられるエピソードになったと思う
説教されてよかったよ

投稿: とーりすがり | 2009年10月 9日 (金) 14時28分

とーりすがりさんに同意。

直接関係ないのに「最低な人間だ」「説教したい」
なんていう人間になりたくないです

投稿: | 2009年10月 9日 (金) 16時12分

ダメだって。帰りたくなる。。。
乗ったとこも含めてググッときました。

投稿: まったく | 2009年10月 9日 (金) 21時51分

DPZから来ました。
なんかいいですね。
奄美に行ってみたくなりました。
意外な結末に「ちょww」って感じでしたが、また帰る楽しみが出来ましたね。

投稿: ミヤビ | 2009年10月10日 (土) 02時32分

dpzからきました。

同級生に会う偶然とか、結局乗っちゃったとかw

そこが良かったなw

また次回チャレンジして下さいね!

投稿: 寄り道 | 2009年10月10日 (土) 12時14分

はじめまして、デイリー道場から来ました。

センチメンタルに浸ってるとき、女性はいとも簡単にひと言で現実に戻してくれます。

真夏の海に沈む夕日を見て感傷的になっているところに、「何半ベソかいてんのww

早くバーベキューの用意手伝って…」と現実に戻してくれます。その女性は何かを

察してこういう言葉をかけたんだと思えば気になりません。実際はどうなのかは

分かりませんが……

投稿: 鯖 | 2009年10月18日 (日) 03時56分

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